SYSTEM

働く環境・人材育成制度

働く環境

人材育成制度

蓄電池システムを整備しコンビニを進化させる

プロジェクト概要

日本のコンビニエンスストアは、もはや世界に誇れる生活インフラの1つ。最近では海外から訪れたオリンピック記者がそれを認めている。そんなコンビニエンスストアの機能をさらに進化させるプロジェクト。それが、蓄電池システムの導入による再生可能エネルギーの活用だ。果たすべき目的は1つではない。いくつかの社会課題を見据えた取り組みとしてスタートしたのだった。

環境に優しく、
地域に頼りにされる存在にする

プロジェクト開始の背景

そもそもの背景には、2015年の国連サミットで採択されたSDGsの推進がある。「環境負荷の低減」を目的とした企業活動が世界各国で行われる中、当社としても電気自動車から排出されるリユース蓄電池の再利用を推進すべくその方法を模索していた。そこで開発したのが、太陽光パネルとリユース蓄電池を使った蓄電池システム。

日中に発電した電気を夜間活用することで環境負荷の低減を図るというものだ。そして、この仕組みに着目したのが、今回の顧客である大手コンビニエンスストア。自社のCSR活動の一環として、SDGs推進プロジェクトを進めており、当社で扱う蓄電池システムに白羽の矢が立ったのだ。2019年6月のことである。

コンビニエンスストアに蓄電池システムを導入する目的は、環境負荷の低減だけにとどまらない。近年、日本全国で台風や大雨などの被害が相次ぐ中、被災地域での停電が問題になっている。そんな非常時に営業してもらいたい場所こそ、コンビニエンスストアではないだろうか。

災害時でも自家発電によって営業できれば、非常時の近隣住民の暮らしを支えることができる。そんな目的も見据えてこのプロジェクトは進められていった。地球環境に優しく、地域の生活インフラにする。それが今回の我々の使命なのだ。

予期せぬ災害に
見舞われて

プロジェクト遂行で乗り越えた壁

総合商社の仕事は、1+1を3にも10にもしていくことだとよく言われる。それは今回も変わらない。蓄電池システムを開発する企業、カタチにする製造工場、太陽光パネルを手がける会社、物流会社など、さまざまな企業と連携を図り、一つひとつの工程を進めていた。そんな中、突然のアクシデントが起こる。納期が迫る9月、超大型台風が関東を直撃。ここで仕入れ先の工場がある千葉県が長期にわたる停電に見舞われてしまったのだ。

「さすがに納期に間に合わない…」プロジェクトに関わるほとんどの人間がそう感じたにちがいない。1号機の納品の際は、店舗に報道陣を集め、テープカットや県知事の挨拶といったセレモニーを予定していたため、顧客としてはなんとか予定通りの納品を望んでいた。誰もが途方に暮れる中、工場から連絡が入る。「うちの工場は、動きます!」なんとその工場に、今回のプロジェクトで納入する太陽光発電パネルと蓄電池システムが整備されていたのだ。周辺工場の明かりが消えた中、自家発電によって稼働する工場。自宅が停電していても出勤する従業員たち。そんな彼らの大きな貢献で、第1号機を予定通りに納品。セレモニーも開催することができた。災害に見舞われたことで、納品したシステムの意義を実証してみせたのである。

既存をつなぎ、
新たな価値を創る

プロジェクトの今後の展望

当初の工期内で予定通り神奈川県内10店舗のコンビニエンスストアにこのシステムを導入することができた。設置してから2年間、幸いなことに大きな災害に直面することなく稼働しており、日々の温室効果ガスの削減に貢献している。再生可能エネルギーを使って営業するコンビニエンスストアとして、近隣住民の暮らしを見守っている状況だ。この2年でお店のオーナーの声も聞くことができた。やはり停電によるリスクは怖いと言う。例えば、冷凍食品のロスはもちろん、自動ドアは手で開いてしまうため盗難のリスクもある。被災地域の治安が停電によって悪化すれば、住民の生活が一層不安なものになる。営業する立場としても、今回のシステムは心強いものだと感じた。

リユース蓄電池、太陽光パネル、コンビニエンスストア、地域、暮らし。既存の製品やビジネスをつなぐことで、新たな価値を社会に実装すること。地球規模の課題解決に貢献すること。それが総合商社としての役割であり、仕事の醍醐味とも言える。このプロジェクトで得た学びが、また次のプロジェクトの糧になる。その繰り返しこそ私たちの歴史でもあるのだ。経験に基づく挑戦は、今日も続いていく。

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